再生医療とは、ケガや病気ならびに事故等で失われた組織や臓器を薬や医療材料ではなく体の中にある細胞を使い元通りの形・働きに再生させる先端医療技術です。再生医療(細胞移植)には古くから行われている具体的な一例として輸血があります。ABOの血液型さえ一致すれば異なる人の間でも不足している血液を補充できることが輸血を身近な医療にしてきました。
再生医療の目指すものは、まさに輸血のように細胞バンクでお預かりした細胞を用いて、失われた組織や臓器を再生させる事を目的としています。
幹細胞の種類
幹細胞とは
幹細胞とは、その名のとおり幹となる細胞のことで、幹細胞からいろいろな種類の細胞が生み出されます。幹細胞は大きく胚性幹細胞(ES細胞)と体性幹細胞に分けられます。
ES細胞とは、臓器等の幹細胞に変化する前段階で「何の条件も与えられてない何にでも変化しうる多分化能力と増殖能力を持った細胞」です。しかし、ES細胞は倫理的に問題があるとされ、また移植による拒絶反応が起こる危険性もあるためES細胞を用いた治療にはいくつかの大きなハードルがあります。
一方、体性幹細胞は、生体の様々な組織に存在します。例えば擦り傷や切り傷を治す時にもこの細胞が使われており、最も再生医療の実用化が進んでいる細胞です。ご自身の体から採り出した体性幹細胞を用いた治療は、ES細胞のように倫理的な問題や免疫的な拒絶反応の問題を心配する必要がありません。しかしながら、幹細胞は若い頃にはたくさんありますが、老化とともに激減(10代には約10分の1、30代には約25分の1、50代には約40分の1、60代には約100分の1)するといわれています。
iPS細胞とは
iPS細胞(人工多能性幹細胞)とは、ヒトの皮膚等から成長済みの細胞を取り出し、体の組織や臓器に成長する前の未成熟な段階に戻す(細胞の初期化)ことにより、あらゆる細胞に変化する万能性を持たせたものです。将来、組織や臓器などの再生だけでなく病気の原因解明や薬の副作用などの試験に大いに役立つことが期待されています。
歯髄細胞とは
歯髄細胞とは、永久歯や乳歯に存在する最も再生医療の実用化が進んでいる体性幹細胞の一種です。細胞の採取も体を傷つけることなく比較的容易であり、将来を見据えた「医療保険」として貴重な細胞といえます。また、歯髄細胞のiPS化により、広範囲の再生医療に応用されることが期待されております。









